煙と馬鹿と俺 2.1


岩場に関して色々気になる。
5月 17, 2013, 8:19 am
Filed under: life

最近岩場での事故や登攀禁止、中止の話をよく目にする。

サイキンノスミコ : 藤阪ロックガーデン封鎖のお知らせ
* 藤阪ロックガーデンに関してどこに一次情報があるのかわからなかったけれど、ここが元っぽい。JFAのサイトでもコチラのブログにリンクを張っている。
川井キャンプ場ブログ : 川井ボルダ―利用禁止のお知らせ
Japan Free Climbing Association : news 4月〜6月
* 過去のニュースを見ると色々な岩場で登る際の注意が載っている。

僕はこうしたニュースをfacebookやtwitterで目にすることがほとんどで、その次が仲間からのクチコミだ。
こうした時twitterやfacebookでは必ずといっていいほど
「一部の人のせいでまたも登れなくなってしまった」
といった心情の吐露や
「もっとマナーを守ろう」
「事故を起こさないようにしよう」
といった岩場での過ごし方がニュースを広めるのと一緒に語られる。

何故岩場で登れなくなってしまうのだろうか。
本当に一部の人のせいで登れなくなっているのかな?
マナーを守って事故を起こさないようにすれば登れるのかな?
防ぐためにはどうしたら良いのか考えてみよう。

このブログを読んでいる人は僕の事を知っている人がほとんどだと思うけれど、
どんな人がこんな意見を持っているのか前提の知識として知っておいて欲しいので自己紹介。

– – – – – ここから – – – – –
約6年前に恵比寿J&Sでボルダリングを始める。
ジムには岩場での写真がいくつか貼ってあり、強い常連さんたちが外の岩を登っている様子が写っていた。
そうした人たちに憧れ、自分もいつかは外で登ってみたいと憧れる。

翌年ペキペキで出来た仲間と初めて御岳に行った。
それ以来ジムで登るのと平行して小川山、瑞牆、城山、城ヶ崎、河又などの岩場に登りに行く。関東の西側に向かう事が多い。
最初はボルダリングが主だったけれど、最近ではリードクライミングの比率の方が高い。
海外の岩場にも何度か行ったことがある。

また、登山やアイスクライミングにも興味を持ち、何度か縦走にも行き、アイスクライミングは人口壁でちょろっと体験した。

ここ最近はコンペに出場することをメインにクライミングをしていて外は時間があったら行く、という感じ。
です。

そんなわけで僕には岩場を開拓したことは無いですし、岩場の歴史を詳しく知るような機会もさほど無いです。
知識のほとんどはRock&Snow等の雑誌や本、詳しい友人・知人から教えてもらったという感じ。
– – – – – ここまで – – – – –

さて、そんな僕の岩場の認識ですが
「山や岩や崖などの自然は誰のものでもない。だから自己責任の範疇で何をしても良い。
 当然登っても良い。
 ほとんどの岩は僕が初めて見た時からホールドとして使う場所にはチョークが付いていて僕にはむしろそれが格好良く見えた。
 どうやら皆が登る前はチョークなんか付いていなかったらしい。じゃあどうやって登るホールド見つけたんだろう?
 リードで登るような岩にはボルトが打ってあって登っていいようになっている。(誰が打ったとか誰が管理しているとかは考えない)
 怪我をすると人にも迷惑がかかるし、何より自分が登れなくなるから嫌だ。

と思っていました。

さて、これには大きな間違いがあります。
いくつかの点で間違っていますが、一番大事なことは
「山や岩や崖などの自然は誰のものでもない」
という事ではないでしょうか。

山や岩や崖などの自然は誰かのモノです。
その土地を所有する所有者のモノ。
個人が所有しているモノです。
個人でない場合は国だったり市町村だったりします。

ということは、今まで勝手に登っていた岩や崖は誰かの持ち物を勝手に使っていたということ!?
おそらくyesです。
さらに言うとその岩や崖がある場所に立ち入る事がもしかしたら不法侵入だったかもしれません。

本ではあたかも登って当然の場所のように説明されているし、クライマーの仲間も**に登りに行こうって当たり前に話をする。
雑誌にも各地の岩場で登っている格好いい写真が溢れているし、クライミングシューズやギアの広告なんかもほとんどが自然の中でかっこ良く登っている写真だ。
そんなの見てたらどっかの河原にある岩は勝手に登っていいって思ってしまう。

ではどうしてその岩場が本で紹介される事になったのか。
かなり推測になってしまうのだけれど、岩場を開拓して公開する順番を考えてみる。

「開拓編」
1. 登れそうな岩場ありそうなエリアの目星をつける(地形図を見たりうわさ話を聞いたり)
2. その土地の所有者を特定してその場所の散策の許可をもらう
3. 岩や崖を探す
4. 見つかった場合、その岩や崖の整備をして登る許可をもらう
5. 岩についている苔や泥、挟まっている石や脆い部分を掃除して岩肌を露出させる。時には岩の下地を整備して登りやすくする
6. 登る。

「公開編」
* 開拓の3-6を繰り返してある程度まとまった時点で他の人にも共有するために公開のプロセスに進む
* 公開する理由は色々あると思うけれど、基本的には開拓者の好意だろう。良い岩場みつけたからみんなで登ろうぜ!みたいな?
7. 上記の岩や崖を不特定多数の人間に公開し、この場所をクライミングエリアとして公表することの許可をもらう
8. 岩場にいくための駐車場やアプローチを整備する
9. 開拓した岩の地図やトポを作成する。また、色々なレベルの人が楽しめるように簡単な課題も作る。
10. トポを発行する
11. 雑誌やwebで岩場の情報を発表する

これらの大変に手間がかかる作業は誰か個人やグループが「そこで登りたい」っていう思いの元に行われる。
どこからかお金が出るわけではないし、それをやったことで収益が上がるわけでもないだろう。
完全に趣味だ。(稀に仕事の一部になっている人もいることと思うけど、その人にしてみても他のことしている方が稼げるだろう)
そうした誰かのボランタリーな活動があってようやく本になったり雑誌に載ったりしている。

だから、上述した「不法侵入!?」っていう点に関して言えば
基本的に本や雑誌で公表されている岩場に関しては不特定多数の人間が訪れて岩や崖を登ることの許可をもらっているはずなので不法侵入ではないし、登って良いことになっている。

じゃあ問題ないね、自由に登っていいんだね!ということではない。
土地に入ることの許可と登ることの許可はあげるから後は自由に登ってくれ!
とは普通ならない。
土地に入ることの許可と登ることの許可はあげるから「自分に迷惑がかからないのであれば」後は自由に登ってくれ!
というのが本当のところだ。
そしてこの「自分に迷惑がかからないのであれば」というのは結構大事なポイントだ。

「不特定多数の人が訪れて登る」
ということがどういうことか、おそらくほとんどの地主さんは理解していないだろう。

ほとんどの場合こんな風になるとは思ってもみなかったんじゃないだろうか。
まさか、休日はもちろん平日までひっきりなしに人が訪れ、夜明けから日暮れまで、時には日が暮れてからも登るとは普通思わない。
さらに大抵車でのアクセスになるのでその滞在している間はずっと車も放置されることになる。
1台だったら気にもならないだろうけれど、それが5台6台となるとかなりのストレスだ。

こんなもんかな、と思ってくれる人もいるかもしれないけれど、そうでない人もいるだろう。
容認出来ない場合は「やっぱり登るのをやめてくれ!」となる。

「やめてくれ」と相手に言わせてしまうともう一度許可をしてもらうのは非常に難しい。
だから言われる前に対策が必要になる。
一つにはクライミングという文化を知ってもらい、クライマーという人種を理解してもらうこと。
もう一つは地主さん、そして近隣の人が迷惑だと思わないようなルールを作り守ること。
こうしてお互いが歩み寄ることで「自由に登っていい」環境が維持される。

アクシデントが原因で「登るをやめてくれ!」となる場合もある。
クライミングを行う場所は大抵アクセスが悪い場所だ。そしてクライミング中の怪我は動けなくなったり歩けなくなったりする可能性が高い。
そうした場所での重大な怪我はおおごとになってしまう。
詳しく管轄は知らないけれど、ヘリが出動してレスキュー隊が出てきてどこかの病院に搬送して・・・となんかおおごとになる。
このおおごとってやつが大抵の人は嫌いだ。
まして自分とは全く関係のないところで怪我をされたにも関わらず色々質問されたり書類を書いたりしなくてはいけなくなるとあってはもっと嫌になるだろう。

こればっかりはどんなに注意してもゼロにすることは出来ない。
その事を地主さんに理解してもらうと共に、クライマー側は事故が起きないための最大限の努力をし、さらに事故が起きた場合も安易にレスキューに頼るのではなく自分たちの力で最低限の対策(例えば救急車がこられる場所までは移動するとか)をする事が必要だろう。

この点は完全に迷惑をかけてしまう。
地主さんだけでなくその地域の人たちにクライミングという文化、クライマーという人種を理解してもらい見守ってもらう必要があるだろう。

さて、長文を書いてしまったが、上記のような事を理解した上で岩場に登りに行くのが良いのではないだろうか。

で、実際に何をする必要があるかというと公開されているエリアに関してはルールの明文化が必要だと思います。
今までクライミングというのは大変にマイナーなスポーツで今もマイナースポーツですが、近頃のブームで爆発的に人口が増えている。
それにともなって暗黙の了解としてやってきた部分が立ち行かなくなってきています。
特にボルダリングは人口の増加が著しく、各地のジムでは外岩に行くことを当たり前のように推奨し、雑誌では外のことばかりを扱うという状況。既に小川山や御岳はパンク気味ですが、ますます加熱していくことでしょう。
今まで当たり前にやっていたこと、逆に人数が少ないから許されてしまっていたことを整理して禁止事項をはっきりさせるべきです。

当たり前にやらないこととしては
・岩の形を変えない
・岩をバーナーで乾かさない
・焚き火をしない
とか?

最もグレーな問題としてはナイトボルダリングの可否でしょうか。
現在当たり前に行われているエリアも、声があがっていないだけで実際に認められているか、というと微妙な気がします。
岩場の責任者が誰になるのかはわからないのですが、開拓して公開した人になるのかな?それかJFAなのかな?地主さんとの間でいくつかの取り決めをすると良いですね。

どうしてもある課題は夜登る事が不可欠。どうしてもナイトしたい!のであればそう思った人が交渉して夜登ることを認めてもらうのが良いと思います。

他には前にRock&Snowで物議を醸していた下地の整備問題とか用便の話とかかな。

今まで日本全国全てのクライマーがお互い知り合いみたいな状況だったと思いますが、大きく変革を遂げつつあります。
今ある岩資源を今後も利用できるようにどうにか皆で一丸となって解決していきたいですね。
ルールの周知や情報の共有っていう点は100岩アプリで解決出来たらいいな。

そうした外との話が終わった後にクライマー同士が岩場で過ごしやすくなるためのマナーをすると良いでしょうね。
ただ、クライマー同士で仲間なんだからタバコの煙が、とか話し声が、とかマットの扱いが、なんて些細な事で目くじらを立てず、その場その場でお互いに過ごしやすいように注意しあえばいいんじゃないですか?ジムとかだと「そこ危ないからどいてー」とかって気軽に言いますよね、多分。twitterとかfacebookで「今日の**マナー悪かったなー」とかって言っても何も変わらないですよ。これは僕にも言えることで、次から気になったことは勇気を出してその人に伝えるようにしようと思います。

僕が良くわかってないのは「地元の商店街を利用しよう」ってとこなんですよね。
地元の商店って朝早くはやってないし夜遅くはやってないし利用出来るタイミングが無い。
便利だからコンビニに行ってしまうしファミレスに入ってしまう。
観光ガイドマップみたいにこの岩場に行くときはここで買い物をするのがオススメ、とかこのレストランが美味しい、とか情報がまとまったらもう少し行きやすくなるかな?
多分クライミングやってる人たちが良く来てくれる、ってなったらそのお店のクライマーの印象はちょっと良くなりますよね。

クライマー同士のマナーについてはペコマが良い事を言っていると思うのでこちらも読んでみてください。
pecomaの唄 : 岩場のマナーのこと

色々と間違っている点も多くあると思います。
指摘していただければ幸いです。

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3件のコメント so far
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色々と納得。 ペコマも良いこと書くなw
挨拶は、確かに必要だし、気持ち良く挨拶できたら、レベルに関係なく楽しめるよね。

あ、でもタバコは吸っても良いけど、風向き考えて吸って欲しい。これぐらいかなー。
マットは、別に気にならないし、お互い様。
大騒ぎ?とか話声は、空気を読めばOKじゃない?

明日は、瑞牆いってきまーす!

コメント by つよぽん

そうですよねー。その場でお願いするにしてもうまく険悪にならないような言い方をしたいですね。
瑞牆どうでしたか?

コメント by hohta

いまさらですが、すごく素敵な記事でした。
私も思うだけのことが多いので
積極的に周りに伝えていこうと思わせていただきました。

どこかでお会いできましたら一緒に登ってやってください。

コメント by 都内SE




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